rakra109号の特集は「うるわし、和菓子」。
北東北のさまざまな和菓子を紹介しています。
…ところでみなさん!
朝ドラ「カムカムエヴリバディ」観てますか?
私は全話欠かさず観てるぐらい、夢中です。その日の放送内容に1日の情緒が左右されるといっても過言じゃないほどです。いまだ稔さんロスから立ち直れていません。あー、おはぎゅう(おはぎを)食べながらカムカムを語る会したい!
観ていない人のためにも補足すると、
このドラマは親子三代のヒロインによる「100年の物語」になっていて、第一世代のヒロインは和菓子屋の娘さん。放送開始からしばらくの間、毎朝のようにふっくらと煮あがった小豆や、おはぎ、お汁粉が登場していました。
ちょうどその頃、rakra109号の制作もスタート。
カムカムの影響で(私の)和菓子熱が高まっていたこともあり、取材や編集作業がとても楽しかったです。撮影もいつも以上に気合が入り、お正月らしい華やかな紙面になりました。手に取っていただけるとうれしいです。
そんな109号のweb限定記事で紹介するのは、取材先で出合った「和菓子店の甘味」。本誌に載せきれなかったので、こちらで紹介したいと思います!
そのひとつ、青森県弘前市の「寿々炉」は、地元のみならず県外からもファンが訪れる和菓子の名店。丹波産大納言を使った自家製餡は、凝縮された豆の旨味とすっきりとした後味のバランスが絶妙。「和菓子は苦手だけど寿々炉のファン」」という人が少なくないのも納得です(詳しくは本誌をご覧ください!)。
そんな寿々炉の本店向いには、「瀧二郎」という姉妹店があります。
寿々炉が上生菓子や銘菓を中心とした品揃えなのに対し、瀧二郎はおだんごや大福など「ふだん着」の甘味がメーン。だけど良質の素材を使い、丁寧に手づくりしているのは寿々炉も瀧二郎も同じ、と寿々炉の2代目店主・後藤さんは話します。
窓に貼ってあった「お汁粉」の文字につられて店内に入り、早速注文。
撮影:大谷広樹
このお汁粉……本当においしい!
さらっとした小豆汁は、すっきりと上品な味わい。えぐみなどの後味が残らず、すうっと身体に染み込んでいくよう。一方、程よく焦げ目のついたお餅はしっかりと弾力があります。
ホッとして、心がほぐれていくようなおいしさ、とでも言いましょうか。
カムカムで、主人公との結婚を反対していた恋人の父親が、主人公の実家の(お店の原点でもある)お汁粉を食べて感銘を受け、結婚を認めるというシーンがあるんですけど(またドラマの話ですみません)、そのお汁粉の味も、きっとこんな風なやさしいおいしさだったんじゃないかしら。
「うわあ…おいしい…」と一人で呟きながら食べていたら、隣の席に座っていた常連とおぼしき女性が「私もお汁粉食べたくなってきた」と、追加注文していました(笑)。その女性曰く「夏限定のあんみつもすごく美味しいの。また食べにきて」とのこと。それ、絶対おいしいに決まってるやつ。
弘前に来たら立ち寄りたい場所が、またひとつ増えました。
瀧二郎
青森県弘前市徒町2−1
(編集部:鈴木いづみ)