はじめまして!岩手医科大学薬学部に勤務する杉山育美と申します。
薬剤師の目線で、誰かに話したくなる「お薬の豆知識」をお届けします。
今回は、「納豆」を食べてはいけないお薬のお話です。
体に良い食べ物ランキングが紹介されると頻繁に1位に輝く「納豆」。
ランキング上位の常連です。
納豆は良質なタンパク質、鉄分、食物繊維が豊富で免疫力の向上にも最適です。
腸内環境も整えますし、髪にもいいですし、血栓予防や、女性ホルモンに似た成分が含まれるので更年期障害の改善にも効果的・・・などなど
挙げたらキリがないほど、納豆を食べることは良いこと尽くめなのです。
ただし!あるお薬を飲んでいる方は納豆を控えたほうが良く、注意が必要です。
それが「ワルファリンカリウム」を主成分とするお薬です。
ワルファリンKやワーファリンという名前のものも同じ仲間です。
これらは血液を固まりにくくして静脈血栓症、心筋梗塞症、肺塞栓症、脳塞栓症などの予防もしくは治療をするためのお薬で、いわゆる血液サラサラを目的としています。
このお薬を飲んでいる方が納豆を食べると、服用しているお薬の効果が弱まり、血液を固まりにくくする作用が弱くなってしまいます。
納豆がダメなら大豆製品は全部ダメなの?と思われましたか?
大丈夫!お豆腐もお味噌も、おからも、豆乳も、きなこも、食べて問題ありません。
納豆に含まれる納豆菌が大腸でビタミンKを産生することがマズイのです。
旦那様がこのお薬を飲んでいるとは知らず、旦那様の健康を願って毎日納豆を出されている奥さまがいらっしゃった例もあります。
血液サラサラのお薬を飲まれている方、または飲まれているご家族がいらっしゃる方は、これを機にお薬のお名前を確認してみてください。
そして、そんな時こそ薬剤師にお気軽にご相談くださいね。
岩手医科大学薬学部 講師 博士(薬学)
薬剤師
スポーツファーマシスト
アスリートフードマイスター
薬剤師を身近に感じてもらいたいとSNSなどを通して発信中。
アスリートやサポートスタッフ、ご家族に対してアンチ・ドーピング活動をすると共に勝利のためには健康であることの重要性もお伝えしている。
近年はアスリートを含む女性の健康サポートにも力を入れている。