二戸市の夏といえば、アジサイにヒメボタル。
美しい自然がつくりだす幻想的な風景が見られると評判です。
しかし、それだけではない魅力を秘めるスポットが二戸にはあるとか…。
二戸市観光ガイドブック「ninohe」を片手に、今こそおでかけのチャンス。

厳かな古刹・天台寺と鮮やかなアジサイ

 二戸市浄法寺にある天台寺には、約4千株のアジサイが植えられており、寺に続く道を例年6月末から7月下旬まで華やかに彩る。
 アジサイは、1987 年に天台寺の住職に就いた僧侶の瀬戸内寂聴さんが、就任記念の際に京都から株分けしてもらったものを植え、その数を増やしたものだ。2021 年に亡くなられた後も、アジサイは毎年美しい花で来訪者たちを楽しませ続けている。
 天台寺では毎年7月中旬に天台寺あじさい祭りも開催しており、当日はアジサイの植樹やボランティアガイドによる境内案内なども行っている。涼やかな景色を楽しみに、足を延ばしてみては。

石割桜

二戸の知られざる石割桜は悲恋桜?

盛岡地方裁判所の前にあることで有名な石割桜。二戸市にある石割桜は56 年程前に植えられた若いものだが立派に石を割っている。誰が名付けたものか「悲恋桜」とも呼ばれているとか。付近は貝や植物の化石が見つかったり、鮎釣りで人気にもなる隠れたスポット。

住所/岩手県二戸市金田一長川

トルハルバンの石像

石で作られたおじいさんは「韓国のモアイ」

韓国南部にある済州(チェジュ)島のシンボルとなっている石造「トルハルバン」が実は二戸市にもある。済州の方言で「石のお爺さん」という意味で、守り神として済州島では様々な場所に設置されている。なぜ二戸市に韓国の石像があるかというと……韓国のライオンズクラブから寄贈された記念品だ。

住所/ 岩手県二戸市石切所古川(馬淵川公園内)

アイヌ檀の史跡

二戸地方で生きたアイヌたちを供養する祭壇

最近人気漫画の影響もあり、注目を集めているアイヌ文化。なんと二戸市にもそのアイヌにまつわる祭壇が残っている。明治18年の国道改修の際に頭蓋骨などがまとまって出土したことから、日本皇紀に記録されている811 年に文ぶん室やの綿わた麻呂(まろ)が爾に薩さ体たい(二戸地方)のエゾ60 数人を切った際のものと考えられ、土盛をして関係者で供養したという。石碑は昭和10 年に作られたもの。
※ アイヌ= エゾと呼ぶかについては諸説あります。

住所/岩手県二戸市堀野矢沢口

不動の滝

二戸市にもある「不動滝」

不動尊を祀るお堂のすぐ近くにあるので「不動の滝」と名付けられた滝は全国各地にあり、実は二戸市の地にも存在する。白鳥平の県道24 号沿いにある案内板に従い、たどり着いた先にある滝の高さは約5m。滝の上には不動尊を祀る「瀧不動明王社」が建てられている。滝に近づくためには事前に長袖長ズボンに長靴など、草木を分け入る準備が必要だ。

住所/岩手県二戸市白鳥向山葵沢

レゲエバースラム

小さなジャマイカとも呼ばれる二戸のレゲエ音楽の聖地

店内の床には砂が敷き詰められ、歩くたびに鳴る砂の音を聞けばまるで気分はビーチサイド。市外や県外から訪れるファンも多く、オーナーの膨大なコレクションから選ばれたレゲエミュージックと80 種類を超える豊富なお酒やドリンクを楽しめるバーとして市民に愛されている。2024 年3月で30 周年を迎えた現在も、毎週日曜日にはDJ イベントで盛り上がる。

住所/ 岩手県二戸市福岡字八幡下43-10
TEL /0195-25-5205

折爪岳の夜を照らす、ヒメボタルたちの光の景色

 7月上旬から中旬にかけ、折爪岳の山頂から中腹の間で100 万匹のヒメボタルが飛び交う幻想的な風景が見られる。ホタルのオスの成虫は1秒間に1回の割合で規則正しく光をだし、メスは2〜3秒間に1回発光するのが特徴。メスは飛ぶことができないので、飛翔しているのは全てがオスのホタル。繁殖のために発光しているので、ヒメボタル観賞の際には強い光を放つものを使わずに暗闇の中でヒメボタルを観賞しよう。
 ホタル観賞には申し込みが必要なので、折爪岳のHP を要チェック。折爪岳にはオートキャンプ場もあるので、ヒメボタル観賞とアウトドアを一緒に楽しむのがおすすめだ。