こんにちは。
岩手医科大学薬学部に勤務する杉山育美です。
薬剤師の目線で、いますぐ誰かに話したくなる「薬の豆知識」をお届けしております。
本日は、「薬の名称についている〇〇g(mg)ってどういう意味?」のお話です。
(例えば ロキソニン錠60mgの60mg)
〇〇g(mg)という表記が名前の後ろに付いているのは医療用医薬品だけです。
はて?医療用医薬品とは?
最初に薬(医薬品)の分類についてお話したいと思います。
医薬品は「医療用医薬品」と「OTC医薬品」の2種類に分類されています。
医療用医薬品
病院で貰う、もしくは病院での診察後に調剤薬局で処方箋を出すと貰える薬のこと。
別名を「処方薬」ともいい、【医師や歯科医師から出された処方箋がないと手に入れることができない薬】です。
医療用医薬品には「先発品(新薬)」と「後発品(ジェネリック)」があります。
OTC医薬品
薬局・薬店(ドラッグストアなど)に行き、自分で選んで買うことができる薬のこと。
別名を「市販薬」、「大衆薬」ともいいます。
OTC医薬品はさらに「要指導医薬品」と「一般用医薬品」に分けられます。
ちなみに、OTCとはover the counter(カウンター越しに)の略で、昔、薬剤師と患者さんがカウンター越しにお話しながら薬を選んで購入いただいた頃の名残です。
それでは、薬の名前についている数字(例の下線部分)の意味は?
例1: ロキソニン錠60 mg 例2: ハルシオン0.25 mg錠
この数字は、有効成分、つまり1錠の中に含まれる主成分の量を示しています。
このように書くと治療に関係しないものが含まれているの?と思われるでしょうか。
実は、錠剤1個には主成分のほか、錠剤の形成や薬効の発現に必要な「添加剤」が含まれています。
添加剤は病気の治療には、何の効果も持たないものです。
錠剤1個に含まれる主成分の量はとても少ないので、添加剤と混ぜて飲みやすく、ちゃんと効果が得られるように工夫されているのですね。
薬によっては同じ名前だけど数字だけが違うものがあります。
例) アムロジピン錠2.5mg/ アムロジピン錠5mg/ アムロジピン錠10mg
これらは含まれる主成分の量が異なるので、間違って服用しないようにご注意ください。
薬は必要量よりも少なく飲めば効果はありませんし、多く飲むと毒となります。
岩手医科大学薬学部 准教授 博士(薬学)
薬剤師
スポーツファーマシスト
アスリートフードマイスター
薬剤師を身近に感じてもらいたいとSNSなどを通して発信中。
アスリートやサポートスタッフ、ご家族に対してアンチ・ドーピング活動をすると共に勝利のためには健康であることの重要性もお伝えしている。
近年はアスリートを含む女性の健康サポートにも力を入れている。